令和4年8月3日、進化を続けた司法書士制度は150周年を迎えました。
変革の時代を支える法律家としての存在意義は、今を生きる私たちの姿勢と実績にかかっています。そして、諸先輩方の営みによって積み重ねられてきた「信頼」を、しっかり継承し、より強固にしていくことができるよう、全国の会員の皆様が、国民の権利擁護の担い手としての使命と職責をこれまで以上に果たすことができるよう、全力を尽くす所存です。
昨年4月には相続登記の申請義務化と改正犯罪収益移転防止法がスタートしております。
後者につきましては、新たに取引時の確認事項として、取引を行う目的、職業又は事業の内容及び実質的支配者の本人特定事項が追加されましたが、引き続き関係機関と共に周知に努めるとともに、リスクベース・アプローチについても界内の研修等に注力してまいります。
民事裁判のIT化については、令和8年5月までにフェーズ3が実現予定であり、公証手続のIT化については、年内に施行予定です。 いずれも全国の会員の皆様が施行と同時に十全に対応できるよう、最高裁及び日公連との協議を継続します。
不動産登記の真正担保機能を堅持し、手続の円滑化と利便性を備えるDXを視野に入れながら、登記制度全体のレベルアップにつなげていく事業を法務省と共に推進していきます。
商業登記・企業法務の分野においては、中小企業支援の担い手としての役割の強化を踏まえ、関連機関との連携を深めてまいります。
司法書士が信頼性を確保している不動産登記や商業法人登記を基礎データとする、いわゆるベース・レジストリ構想についても、関係省庁と協力の上、積極的に取り組んでいきます。
成年後見制度の改正についても、中間とりまとめが予定されております。 専門職後見人のトップランナーとして、引き続きしっかり実務に根ざした意見を述べてまいります。
また、大相続時代を迎えて、民間事業者等による様々なサービスも増加していくことが予想されますので、非司法書士に対しては、引き続き毅然とした対応をしてまいります。
信頼を継承し、より強固にする研修事業等の地道な事業展開と同時に、制度を未来につなぐための施策も強く推進してまいります。
司法書士法改正については、引き続き5項目(①家事事件の代理権、②司法書士業務のデジタル化、③司法書士法人の競業禁止、④公共嘱託登記司法書士協会の事務、⑤依頼応諾義務)の要望に関して法務省をはじめとする関係機関との協議を継続し、道筋をつけてまいります。
法律家として、その専門的知見で社会的課題の解決に挑み、やりがいを感じることができる司法書士のブランディングを推進することによって、若年層の試験合格者を増やし、合格後の充実した研修により、頼れる暮らしの中の法律家を養成する事業も引き続き行ってまいります。
さらに、これまでのカンボジアにおける法整備支援を基盤として、イコールパートナーシップによる司法外交を推進し、将来的に、司法書士が海外で活躍できる下地づくりを推進してまいります。
「信頼を守り、未来を拓く!」 小澤さんと共に、これからの司法書士制度の充実・発展のために、連合会での6年の経験を糧に、なお一層努力する所存です。
私は、この度、会長候補者の指名副会長候補者として推薦をいただきましたので、下記のとおり所信を述べさせていただきます。私は、現在日司連の副会長として職務に当たっております。 研修担当常任理事としての4年間においては、コロナ禍の影響による研修のあり方自体を変革するために、様々な試行を経て日司連における研修事業に取り組んでまいりました。副会長としての2年間においては、「空き家・所有者不明土地問題等対策部」「後見制度対策部」「民事信託等財産管理業務対策部」の部長として、また「司法書士法改正対策部」「不動産登記法改正等対策部」の副部長として働かせていただいております。今回指名副会長候補者として推薦をいただくにあたり、上記経験も踏まえて、連合会全体の事業等に目を向けて、司法書士制度の充実発展のため、なお一層努力してまいります。
小澤吉徳さん(以下「小澤さん」といいます。)は、日本司法書士会連合会(以下「日司連」といいます。)会長の2期4年間、先達が築いた実績を礎に、使命規定の実践のため、多くの課題にスピード感をもってあたってきました。
小澤さんのこれまでの実績とこれからの期待は枚挙にいとまはありませんが、以下のとおり、その一端を披歴させていただきます。
小澤さんの献身と行動力が司法書士制度の未来に明るい希望をもたらすものと信じています。チーム小澤の一員として、みなさんと司法書士の未来を紡いでいければと思います。是非ともご支援・ご協力をお願いします。
日本司法書士会連合会 会長候補
小澤 吉徳おざわ よしのり
昭和42年3月27日生(満58歳)
静岡県司法書士会 第464号
1991年 | 司法書士登録・開業 |
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2003年~2004年 | 日本司法書士会連合会 消費者問題対策推進委員会委員長 |
2005年 | 全国青年司法書士協議会会長 |
2006年~2007年 | 日本司法書士会連合会 理事 |
2006年~2012年 | 静岡県司法書士会 副会長 |
2009年~現在 | 全国クレサラ・ 生活再建問題対策協議会 副代表幹事 |
2013年~2017年 | 日本司法書士会連合会 常任理事 |
2017年~2021年 | 日本司法書士会連合会 副会長 |
2021年~現在 | 日本司法書士会連合会 会長 |
法制審議会成年後見関係民法(成年後見等関係)部会委員 /法制審議会民事訴訟法 (IT化関係) 部会委員 / 法制審議会民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続 (IT化関係) 部会委員/ODR推進検討会 (法務省)/成年後見制度の在り方に関する研究会 (商事法務研究会)/法教育推進協議会 (法務省) /多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会 (金融庁・消費者庁) 等
「誰でもできる少額訴訟」 「クレジット・サラ金で困ったとき必ず役立つ本」 「登記簿を見れば危ない取引先は見分けられる」 「消費者のための分かりやすい消費者契約法Q&A」 (共著)「相続の税金・法律」 (共著) 「個人債務者再生の実務」 (日本司法書士会連合会編) 「個人債務者再生手続き早わかり」 (共著) 「他人に聞けない自己破産のことがよくわかる本」 「簡裁クレサラ訴訟の実務~その防御と攻撃~」 (全国青年司法書士協議会編) 「ヤミ金融被害救済の実務」 (日本司法書士会連合会編) 「クレサラ・ヤミ金事件処理の手引」 (日本司法書士会連合会編) 「マイホームの税金・法律便利事典」 (共著) 「簡裁消費者訴訟の実務」 (全国青年司法書士協議会編) 「司法書士の新展開」 (共著) 「実践 簡裁民事訴訟」 (全国青年司法書士協議会編) 「実務のための新貸金業法」 (日本司法書士会連合会編) 「高齢者の消費者被害Q&A 」 (共著) 等
「遺言執行者の実務 (民事法研究会)」 / 「労働紛争対応の手引き (青林書院)」 / 「司法書士白書 (日本加除出版)」 / 「未成年後見の実務-専門職後見人の立場から-(民事法研究会)」 / 「離婚調停・遺産分割調停の実務~書類作成による当事者支援 (民事法研究会)」 / 「わかる!相続法改正-すべての人が関わる相続ルールの変更を司法書士がやさしく解説 (中央経済社)」 / 「司法書士裁判実務大系 (民事法研究会)」 / 「債務整理事件処理の手引 生活再建支援に向けて (民事法研究会)」 / 「民法改正 ここだけ押さえよう!(中央経済社)」 / 「再考 司法書士の訴訟実務 (民事法研究会)」 / 「裁判IT化がわかる!-民事裁判手続等IT化研究会の報告書を司法書士がやさしく解説 (中央経済社)」 等
日本司法書士会連合会 推薦副会長候補
上前田 和英かみまえだ かずひで
昭和37年1月25日生(満63歳)
鹿児島県司法書士会 第505号
1983年 | 司法書士試験合格 |
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1985年 | 司法書士登録 (鹿児島県司法書士会) |
2003年~2007年 | 鹿児島県司法書士会 理事 |
2007年~2009年 | 鹿児島県司法書士会 副会長 |
2009年~2013年 | 鹿児島県司法書士政治連盟 副会長 |
2010年~2013年 | 日本司法支援センター 鹿児島地方事務所 副所長 |
2013年~2019年 | 鹿児島県司法書士会 会長 |
2013年~2017年 | 九州ブロック司法書士会協議会 理事 |
2017年~2019年 | 九州ブロック司法書士会協議会 副会長 |
2017年~2019年 | 日本司法書士会連合会 司法書士法改正対策部委員 |
2019年~2023年 | 日本司法書士会連合会 常任理事(研修担当) |
2023年~現在 |